さくや
日々の出来事や感想、絵や小説(二次創作) ※女性向け内容あり
僕らのスクールライフ 3
「転校生がやってきた!」なお話。
転校してきたのは勿論(?)シンジ君です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いつもと変わらない朝。
仲良く一緒に登校してきたサトシとシゲルは、教室の中の異様なざわめきに戸惑った。入り口で困惑していた二人に、仲の良いクラスメイトのヒロシが話しかけてきた。
「「おはよう」」
「おはよう。ねぇ、聞いた?今日このクラスに転校生が来るみたいだよ」
「え、マジ!?」
「うん。さっき廊下で担任の先生が話してるの聞いたんだ」
「どんな子なんだい?」
「さぁ・・・そこまで詳しくは知らないんだけど」
仲良くなれるといいね。とヒロシが言い、そうだなと二人も笑って返した。

「じゃあ、転校生を紹介するぞ。帷学園から転校してきた、シンジ君だ」
「・・・よろしく」
「席は・・・サトシの隣が空いてるな、そこにしよう。サトシ、分からないことも色々あるだろうから、何かあったら教えてやれよ」
「はい!」
並んでいる机の間を歩いて、シンジはサトシの隣の席に向かう。
朝の間は、それ以上何も無かった。

朝の間、は。

「おいお前、教科書を見せろ」
「忘れた?使えない奴だな」
「何で俺がお前の落としたプリントなんか拾わなきゃならないんだ」
「・・・使えない奴」
授業に入った途端に、この傍若無人な態度だ。サトシ達の席は一番後ろの廊下側で、しかもシンジは注意を向けないと聞き取れないほどの小声で喋っていたので、隣にいるサトシと、その前の席に居るシゲルだけが、授業中この罵詈雑言を聞かされるはめになった。その上放って置けばいいのにサトシも小声で言い返すものだから、いつまでも罵り合いは続き、放課後も、なんとその次の日もずっと、二人の仲が落ち着くことはなかった。

「そんなわけで、どうしたらいいでしょうか」
転校生が来てから一週間、放課後のいつもの集まりで、シゲルは苦々しく口を開いた。
「どうって・・・具体的にはシゲルはその転校生をどうしたいんだ?」
きょとんとした顔でレッドが問い返す。その背後の窓からは、サトシと年少組の何人かがグラウンドで遊んでいる声が聞こえてきていた。
「つまりですね、」
自分でもどうしたらいいのか上手く言えそうに無かったシゲルは、詳しい事情を説明することにした。
・一週間前に転校してきたシンジはサトシに何かと突っかかってばかりいる。
・サトシも何か言われると他のことそっちのけで反論する。
・常に何事か言い合いをしているのだから、自然と二人でいることが多くなる。
・今までずっとサトシの隣にいたのは自分だったのだから、彼等が二人で親密そうに(他者からはそう見える)のが面白くない。
と。
一通り言い終わった瞬間、シゲルは物凄く・・・後悔した。
いつもは朗らかに笑っている先輩達含むメンバーが、一様にシゲルの方を見て、〔ニヤリ〕という効果音がふさわしい笑みを浮かべていたのだから。
「つーまーりー、シゲルは、サトシがその転校生君にとられちゃったみたいで悔しいわけだ?」
「いわゆる嫉妬ってやつ?」
ブルーとカスミがニヤニヤと笑いながら言及する。それに何も言えずにぐっと詰まったシゲルに、クリスタルが追い討ちをかけた。
「意外と純情なのね、シゲル君って」
シゲルはその一言に耐え切れなくなって、赤くなって机に突っ伏す。気分はもうどうにでもしてくれという感じだ。
「ま、冗談はさておき。とにかくその転校生がサトシにこれ以上近づかないようにしたいんだろ?」
レッドの一言に、机に倒れていた顔を上げる。
そこにいた面々は先程までとは違う、頼もしげな笑みを浮かべていた。
「協力するよ。可愛い後輩にくっつく悪い虫は、俺も許せないしな?」

「・・・・話というのは、何だ」
「そーだぜシゲル、いきなりどうしたんだ?」
後日、シゲルはシンジとサトシを人気の無い裏庭に呼び出していた。
用件を言わずに呼び出したのだから不審に思いもするだろう。訝しげな顔をするシンジの前で、シゲルはわざと大げさに、サトシの身体を抱き寄せた。
「!?」
「ちょっ・・・シゲル!?」
シンジの前で何してんだよ、とわぁわぁ騒ぐサトシを無視して、心なしか衝撃を受けているシンジに向かって、シゲルは不敵に言い放った。
「悪いけど、こいつは僕のだから。必要以上に近付かないでくれる?」
「・・・なっ・・・!」
「んじゃ、そういうことだから。また明日学校でね、”シンジ君”」
未だに赤くなって話せと喚いているサトシを連れて、シゲルは晴れやかに帰路についた。

「やっぱり、先輩達の読みは当たってましたよ。あいつ、サトシが好きでちょっかいかけてたみたいです」
「だと思った。好きな子いじめちゃうっていう、典型的なタイプだよなー」
「その後、どうなったんですか?」
「あんまり話しかけてこなくなりましたよ。他のクラスメイトともつるんでるし、毎時間口論になることは無くなりました。でも、」
『でも?』
「宣戦布告、されちゃいました」

<いつかお前から、あいつを奪ってやるからな>

「いつそれが達成できるのやら・・・・負けるつもりは、更々ありませんけどね」
『当然!』

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